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会誌No.71発行される!  [連絡 / General Information]

No.71 cover.jpg

会誌No.71発行されました! 

 編集委員会の奮闘もあって、No.71が予定よりも少し遅れてしまいましたが、このほど発行されました。今回も充実した内容で、注目記事が目白押し! ぜひご一読下さい。

増井暁夫・玉井大介 雲南省で蝶を採集したフランス人宣教師の足跡を訪ねて

 アジア大陸の蝶に限らず昆虫すべて、いや動植物すべてにおいて、19世紀から20世紀初頭にかけて宣教師たちが大きな貢献を果たしたことは特筆されるべきである。辺境の地で布教を進める宣教師たちの中に博物学的な嗜好を持ち、本国に多くの標本を送った人たちがいた。我が国の蝶相を学ぶ上で避けて通れない、中国雲南省。ここで活躍した宣教師たちの足跡をたどった力作が発表された。増井氏、玉井氏はそれぞれ中国大陸での調査経験が豊富で、多くの珍稀種をその目で見た幸運な人たちである。今回、両氏は中国雲南省のTsekou(茨姑)を訪れ、フランス人宣教師の足跡をたどった。多くの珍稀種の図版とともに紹介された彼らの発見は胸躍るもので、博物学の時代にしばしタイムスリップできる論文である。

Weixi resized-1.jpg
▲多くの珍稀種が図示されている
Weixi-resized2.jpg
▲プロの記者顔負けの取材力で宣教師たちを偲ぶ遺跡を発見してきた


Kotaro Saito and Yutaka Inayoshi "Descriptions of four new taxa of Hesperiidae from Indochina"

 続いてはインドシナの蝶相に精通した斉藤光太郎・稲好豊の両氏による、セセリチョウ科の新種・新亜種記載。ミャンマー北部カチン州からは驚くべきキコモンセセリ(Celaenorrhinus)の新種を、ベトナムからはオオシロシタセセリ(Satarupa)の2亜種を、タイからはユニークなオオチャバネセセリ(Polytremis)の新種をそれぞれ記載した。広大なインドシナからは小型種ではまだまだNEWが出ると思われ、さらなる探索が求められる。

New skipper from Indochina-resized.jpg
▲オオシロシタセセリの新亜種

 最後に国内で驚くべき貴重な記録が発表された。

五十嵐鉄朗 オオウラギンヒョウモンを1989年に群馬県で採集 

 オオウラギンヒョウモンは生息環境の破壊で全国で衰亡が進み、現在では山口県や九州の一部に辛うじて生息が確認されるだけの希少種となっている。特に東日本での本種の近年の記録はほとんどない。こうした中、五十嵐氏は群馬県で1989年に1♀を採集していたことを発表された。日本鱗翅学会が1993年に公刊した「日本産蝶類の衰亡と保護 第5集」ではオオウラギンヒョウモンの群馬県の記録は「1959年以降記録なし」となっているので、じつに30年ぶりの貴重な記録となる。

nerippe from Gunma.jpg
▲群馬県で1989年に採集されたオオウラギンヒョウモン♀
 
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

Index No.71.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

 会誌は会員外でも1冊3,500円(送料別)で購入できますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでお申込み下さい。

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東日本グリーン復興モニタリングプロジェクトのご案内 [連絡 / General Information]

 当会の方に告知依頼が来たので、以下のプロジェクトを案内したい。

********告知ここから********

東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト(主催:アースウォッチ・ジャパン

 アースウォッチは、人手が必要な野外調査に、一般市民をボランティアとして派遣することにより、調査研究の人的支援を促進し、一般の方に研究への理解を深めている認定NPO法人です。

 私どもでは東北大学河田雅圭教授の実施されている、東日本大震災からのグリーン復興を目指した
島嶼のチョウ調査を、10年間を目標に支援しております。そこで今年で5年目となる以下の調査にボランティアの調査員を募集しております。
 ご興味のある皆様に、ぜひご参加いただきたく、ご案内差し上げる次第です。

東日本グリーン復興モニタリングプロジェクト
チョウ調査チーム1
日時:7月8日(金)夕方から7月10日(日)[2泊3日]
チョウ調査チーム2    
日時:8月10日(水)から8月12日(金)[2泊3日]
 チョウの成虫を捕獲し、種類と数を記録します。
 事前にガイダンスを行いますので、どなたでもご参加いただけます。
  
調査地:宮城県 松島湾島嶼 桂島・寒風沢島  
 参加費:16,000円 
 お申込、詳細はこちら
 
アースウォッチとは
1971年米国ボストンで発足した国際的なNGO。研究者の野外調査の現場に、市民を「サイエンスボランティア」として派遣する活動を行う。アースウォッチ・ジャパンは、米国アースウォッチの活動を日本に広げるため、1993年に発足。50以上の国内調査プログラムを運営し、1,500人を超えるボランティアが参加してきた。

********告知ここまで********

Eurema hecabe.jpg
▲津波被災地のキタキチョウ(宮城県名取市 2012年9月14日撮影)
 何の変哲もないキタキチョウ、この1枚にブログ編集子は忘れがたい思いがある。この画像を撮影したのは震災から1年半が過ぎた2012年。津波の被災跡で調査を続ける永幡嘉之さんに宮城県名取市の津波被災地を案内してもらった。ひどく残暑の厳しい日で、津波に洗われて木陰の無くなった林縁でふと出会ったのが1頭のこのキチョウだった。すぐ傍には津波で土台を残すだけになった住宅。津波で犠牲になった人たちの魂が蝶になって現われたのかと思い、静かに心の中で掌を合わせた。

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会誌No.70発行される!  [連絡 / General Information]

Cover No.70.jpg

会誌No.70発行されました! 

 当会の会誌Butterfliesも1992年の創刊号から通算で70号を数えました。ますます世界の、日本の蝶の話題を紹介していきたいと思います。ご支援よろしくお願い申し上げます。それでは新知見が満載の最新号の内容を少し紹介しましょう。

Nakae, M. "A New Subspecies of Byasa hedistus Jordan, 1928 (Lepidoptera: Papilionidae) from Yunnan Province, China"

 まずは世界のアゲハチョウに造詣の深い中江信氏による中国・雲南省から発見されたヘディストスジャコウアゲハの新亜種記載です。特異な斑紋を呈することから、交尾器の精査を経て本種に所属すると判断されました。雲南省の高嶺、白馬雪山山麓(2,500m)の高所に生息するということで、どことなく高貴な感じがします。新亜種名は去年の総会で当会の磐瀬賞を授与された向山幸男氏に献名されました。 
 
Byasa heditus mukoyamai.jpg
▲ヘディストスジャコウアゲハ新亜種ssp. mukoyamai

稲岡茂・Lubosh Bieber チベット西部カイラス山のカルトニウスウスバシロチョウの新亜種

 続いてはジャコウアゲハよりも更に天空の彼方に棲むアゲハチョウの新亜種です。カイラス山は聖地として著名な西チベットの独立峰ですが、この地域からカルトニウスウスバシロチョウの顕著な新亜種が見つかりました。記載したのは当会理事でパルナシウスの研究者、稲岡茂氏とチェコの研究者Lubosh Bieber氏です。名義タイプ亜種よりも大型、地色がより白色味が強いことや、後翅表面の黒帯が減退することなどで区別がつくといいます。新亜種名は資料の入手に尽力したMr. Rostislav Bartas氏に献名されました。

Parnassius charltonius bartasi.jpg
▲カルトニウスウスバシロチョウ新亜種bartasi

 最後に日本人にとって遠い国、ベリーズの採集記です。

上原二郎 ベリーズ採集記 

 ベリーズと言ってすぐに場所がピンとくる方は多くないと思います。ユカタン半島の付け根にあり、カリブ海に面してメキシコとグァテマラと国境を接する国です。面積は四国よりやや大きい程度、世界地図でもその存在感は希薄です。人口も僅か30万人ということで、自然の良く残った国のようです。
 たびたび本ブログでも紹介している、中南米各国で採集・調査経験の豊富な上原二郎氏は2005年に故・長田志朗氏(元当会理事、学術委員)とともにベリーズを訪問し、蝶類の調査を行いました。その時の採集記を本号で発表しています。アジアの蝶ばかり見ているブログ編集子にとっては見慣れない蝶ばかりでプレートを見ているだけで楽しいのですが、中でも中南米を代表する美麗なアゲハチョウ、マエモンジャコウアゲハParidesの新鮮な個体の美しさには目を奪われました。いつかは生きている姿を見てみたいものです。

Belize butterflies.jpg
▲色鮮やかなマエモンジャコウアゲハParides
  
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

Index No.70.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

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2015年度総会・大会も大盛況で終了!!!  [連絡 / General Information]

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▲全員集合! 130人超の参加者で賑わいました

2015年度総会・大会も大盛況で終了!!!  

 良く晴れた師走の週末、先週の12日、東京大学理学部二号館にて日本蝶類学会2015年大会・総会が盛大に開催されました。年末の慌ただしい時期にも関わらず、130名を超える多くの参加者にお越しいただきました。2008年から8年連続の参加者100人超え、当会の大会もすっかり蝶界の冬のイベントとして定着しました。海外からの参加者や中高生など若者の姿も見られ心強い限りです。

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▲2015年度・林賞受賞者、中村紀雄氏の記念講演

 今年度は2人の方に学会賞が授与されました。まず林賞は中村紀雄さん。中村さんは製薬会社で研究に携わる傍ら、蝶類の研究に取り組んでこられました。特に近年はラオスの蝶相研究をリードし、多くの新種、新記録種を発見してこられています。ラオスの蝶類研究を深化する中でアジア産の分類の難しいグループの再検討も行い、特に多くの標本を検した上でこれまでの分類を整理したコノハチョウ属(Kallima)の研究などアジア産蝶類の研究史に残る大きな業績を上げられています。
 中村さんは長年取り組んでこられたラオスの蝶について、旅情を掻き立てる多くの画像とともに特別講演を行いました。

向山幸男.jpg
▲2015年度・磐瀬賞受賞者、向山幸男氏の記念講演

 また磐瀬賞には向山幸男さんが選ばれました。向山さんは多忙な銀行員としてアジアを中心に海外に長く駐在し、現地で蝶の研究を続けてこられました。特筆すべきはインドネシア駐在時に同国を代表するような美麗種、稀種の生活史を多く解明されてきたことです。自宅に多くの食樹・食草を植えてバタフライガーデンを作って研究されていたというのですから、何とも羨ましい話です。向山さんは当学会で財務委員長や財務担当理事も長く務めていただきました。学会が分裂するなど困難な時期にあって、的確に財政状況を把握し、当学会の財政面の健全化に大きく貢献されました。向山さんの陰の努力が無ければ、当学会は財政破綻していた可能性もありました。
 向山さんはインドネシア時代に撮りためた500時間以上に及ぶビデオ映像を30分に編集され、カルナルリモンアゲハ(Papilio karna)、エンペドバーナタイマイ(Graphium empedovana)、クギヌキフタオ(Polyura dehanii)など、熱帯アジアの宝石のような蝶類の幼生期を紹介しました。

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▲中国雲南省のゼフィルスを講演した庄さん

 このほか一般講演でも興味深い話題が目白押しでした。紅一点、唯一の女性講演者だった中国・華南農業大学の庄 海玲(Ms. Hailing Zhuang)さんは、中国雲南省維西の調査で得られたゼフィルス類について紹介しました。これまでミャンマー最北部・カチン州で僅かに知られていた一属一種のNoseozephyrusの驚くべき新種など衝撃の内容でした。

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▲フトオアゲハの系統について論じたHsu教授の講演
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▲Hsu教授は当会の副会長でもあります

熱気にあふれた講演の最後を飾ったのは、当会副会長である台湾師範大学のYu-Feng HSU教授。HSU教授は台湾の国家的保護種、世界のアゲハチョウの中でも屈指の美麗種フトオアゲハ(Papilio maraho)の系統について最新の分析結果を報告しました。驚くべきことに、中国大陸と台湾に2種類が分布するのみのフトオアゲハグループは、遠く北米大陸で繁栄しているトラフアゲハ亜属(Pterourus)に含められるそうです。つまり、多くの日本人が親しんできたフトオアゲハ亜属(属と扱う人もいます)の学名Agehanaはシノニムとなってしまいます。HSU教授のグループはこの研究結果をすでに以下の論文として発表されています。

Wu L-W, Yen S-H, Lees DC, Lu C-C, Yang P-S, Hsu Y-F (2015) Phylogeny and Historical Biogeography of Asian Pterourus Butterflies (Lepidoptera: Papilionidae): A Case of Intercontinental Dispersal from North America to East Asia. PLoS ONE 10(10): e0140933. doi:10.1371/journal.pone.0140933

大会の後の懇親会にも60人以上が参加、ことし最後の蝶談に花を咲かせました。来年も恐らく同じ時期に開催します。蝶に関心のある方はぜひお越しください。




 ご参加いただいた皆様方、また情報をweb上などで拡散して下さった皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました!!


 なお詳細は近日発行されますNewsletterで改めてお知らせ致します。どうぞ、お楽しみに!


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2015年度総会・大会のプログラムがほぼ決定!  [連絡 / General Information]

2015年度総会・大会のプログラムがほぼ決定!  

BSJ Annual Meeting 2014.JPG
▲去年の総会・大会の集合写真

 調整に時間を要して公開が少々遅れてしまいました。2015年度の総会・大会のプログラムがほぼ確定しました。
 今年度の会員総会・大会も国内外の最新の蝶の話題が目白押しです。今年も多数の講演申し込みをいただけたため,午前9時30分からの開始となります。
 今年の学会賞は林賞が中村紀雄氏,磐瀬賞が向山幸男氏に決まりました。両氏には受賞記念講演を行っていただきます。
 事前にお申し込みの方にはもれなく素敵なプレゼントも差し上げる予定です!

【日時】
12月12日(土)9:30~17:25  ※受付・開場は9:00からです。
【総会・大会会場】
東京大学理学部2号館4階大講堂(東京都文京区本郷)
【懇親会】 18:00~20:00 東京大学生協 銀杏・メトロ食堂
【参加費】 総会・大会:会員は無料,会員外(ただし学生を除く)は1,000円。
※なお,学生は会員外でも無料です.是非お越し下さい(懇親会は有料です!)
懇親会:会員・非会員とも一般5,000円,学生3,000円

【申し込み方法】
 締切:12月5日(土)19時(必着)!
参加ご希望の方は,事前に下記のいずれかの方法で申し込みをお願いします.
 事前にお申し込みの皆様に素敵なプレゼントをご用意するためですので,是非ご協力を!!

メールの場合: welcome_scripts@yahoo.co.jp

電話の場合: 080-3534-9528 ※お間違えなく!

【プログラム】
(当日のプログラムには若干の変更がありえますことをご承知おきください)
〈受付開始・入場〉 09:00~

〈開会〉 09:30~09:40 開会挨拶(横地 隆 会長)
〈一般講演Ⅰ〉
①09:45~10:00「カワカミシロチョウほか2015年の迷チョウについて」〇青木一宰・二町一成
②10:00-10:15「シジミチョウ科オオルリシジミの分子系統と生物地理」〇伊藤勇人・三浦一芸・阿部芳久・村田浩平・山下秀次・高 尚均・王 敏・矢後勝也
③10:15-10:30「北海道産Pieris属3種・夏型の形態比較と混棲地個体の分析」小田康弘
④10:30-10:45「翅の色模様に関連した鱗粉サイズの分布様式」〇岩田大生・大瀧丈二
(休憩)10:45-11:00
⑤11:00-11:15「ヒマラヤ北西部におけるLimenitis属(タテハチョウ科オオイチモンジ属)の新知見」片山俊彦
⑥11:15-11:30「南大東島におけるハマヤマトシジミ,ヤマトシジミ,ヒメシルビアシジミの調査記録(2015)」〇檜山充樹・岩田大生・大瀧丈二
⑦11:30-11:45「中国四川省成都近郊のクロオオムラサキ:現状報告」佐々木幹夫
⑧11:45-12:00「東南アジアの乾季における吸水蝶の出現時刻と気温の関係ー予備報告」勝山 豊

〈昼休憩・理事会〉 12:00-13:00(昼食は大学構内・周辺の食堂で各自おとり下さい)

〈会員総会〉 13:00~14:00会務報告,予算・決算承認,学会賞授与式
      ※会員向けに諸事項を討議するものです.総会中は非会員の方はご退出下さい.

〈学会賞受賞記念講演〉
S-① 14:00-14:45「ラオス探蝶記」中村紀雄(林賞受賞)
S-② 14:50-15:35「インドネシア・西ジャワの蝶の幼生期とセラムのヨコヅナフタオの幼生期新発見」向山幸男(磐瀬賞受賞)
(休憩)15:35-15:50

〈一般講演Ⅱ〉
⑨15:50-16:05「ギシュクーン・パスにアウトクラトールを求めて」〇稲岡 茂・鶴巻照夫
⑩16:05-16:20「観察データから見たヤマトシジミの化性」石塚正彦
⑪16:20-16:35「雲南省でチョウを採集したフランス人宣教師の足跡を訪ねて」〇増井暁夫・玉井大介
⑫16:35-16:50 “Theclini butterflies from Weixi, China with description of two new species (Lepidoptera: Lycaenidae)”〇Zhuang, H., Yago, M. and Wang, M.
⑬16:50-17:05 “On the origin and systematic status of “Agehana” swallowtails”〇Yu-Feng HSU, Li-Wei Wu, Shen-Horn Yen, David C. Lees, Chih-Chien Lu and Ping-Shih Yang

〈閉会〉 17:05-17:10 閉会挨拶(Yu-Feng HSU 副会長)

以上です。プログラムは多少の変更がある可能性もありますが、その場合は速やかに当ブログで告知しますので、今後当ブログにご注意下さい。

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会誌No.69発行される!  [連絡 / General Information]

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会誌No.69発行されました! 

 先月の京都フォーラム開催前に発行されたのですが、ブログ編集子の怠慢で少々紹介が遅れてしまいました。最新号No.69(2015年度1冊目)が発行されましたので内容を紹介します。

横地隆・Vu Van Lienほか.ベトナム・カインホア県ホンバ山における蝶類の調査報告(1)
 
 現会長の横地隆氏ほか、当会の主要メンバーが勢ぞろいして調査を続けているベトナムのホンバ山の蝶類に関する報告が今号から2部作で掲載されます。ベトナムの特異な蝶相を特徴づけるような隔絶した山塊からは、つい去年にも調査隊によって驚くべきゼフィルスの新種が見つかりました。今号では調査で得られたものを中心に197種がリストアップされています。下記に掲載した図版でもうかがえるように、美しい標本図版が目白押しで、本地域の蝶相研究における基礎的な文献になること必至です。
 
Hon Ba.jpg
▲アゲハチョウ科の標本図版

若林増樹.中国山地のゴマシジミ-最近の発生状況とその消長についての一考察-

 続いては日本産の蝶類の話題を。若林氏は仕事の傍ら、精力的に中国地方のゴマシジミを探索され、綿密な分布調査報告をこのほど発表されました。ゴマシジミは草原性の種で、近年全国的に減少が報告されています。中国地方では各地に山地が点在しますが、特に人家周辺の小規模な草原に発生する個体群では、近年特に減少が著しいようです。若林氏は観察を重ねる中で、ゴマシジミに一定の移動性があること、飛翔能力が高いことから、遠方のパッチ状の集団との交流が途絶えなければ個体群は安泰ではないかと推察しています。

teleius.jpg
▲島根県飯石郡飯南町産のゴマシジミ♂
teleius habitat.jpg
▲ゴマシジミの発生地の草原

続いて大変ユニークな研究の紹介を。

Takasaki, H. et al. "Bricolage of a portable motor-driven decoy apparatus to lure butterflies" 

 岡山理科大学の高崎浩幸氏の研究グループは、100円ショップでも買えるような安価な材料を使って「チョウ誘引装置」を手作りで作成、野外で主としてアゲハチョウの♂の生態観察に生かしています。本論文ではその作り方を詳細に記述するとともに、その結果についても述べています。昨年の大会でビデオ映像を見て衝撃を受けた方も多いかと思いますが、モンキアゲハやクロアゲハはデコイ(囮)に強く反応し、数分間にわたって執着し続ける個体が見られました。この装置は生態学の分野で有用と思う一方で、通常は樹冠部に留まり、地上近くに降りてこない種をおびき寄せるのにも有効ではないかと思いました。

decoy.jpg
▲ユニークなデコイの構造


▲実際の実験動画はこちらから
  
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

contents no.69.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

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29日にバタフライフォーラムin京都を開催!  [連絡 / General Information]

29日にバタフライフォーラムin京都を開催! 

【PDF版】 

プログラムはこちらから。※ダウンロードページが開きますのでファイルをダウンロード下さい

会場への地図はこちらから。※ダウンロードページが開きますのでファイルをダウンロード下さい

「冷夏」になるのではという予報を聞いたような記憶もありますが、ことしの夏は暑いですね。さて、講演者の調整などで告知が少々遅れてしまいましたが、「バタフライフォーラムin京都」を開催したいと思います。遠方の皆様もご参加しやすいように、京都インセクトフェアの前日に設定致しました。入場無料ですのでぜひお越し下さい。

バタフライフォーラムin京都
日 時:2015 年8月29日(土) 13:00 ~ 17:00
場 所:京都産業会館 7 階第3 研修室 ※キョウト・インセクトフェア(8/30)と同じ建物です。
交 通:市営地下鉄烏丸線「四条駅」下車 / 阪急京都線「烏丸駅」下車 徒歩約2分「26 番出口」よりB1階入口直結
住 所:京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町80 番地
電 話:075-211-4506
参加費:無料

【プログラム】
<招待講演>
竹内 剛:チョウに闘争は可能か? ~視力と攻撃力の分析から見えるチョウの縄張り争い~
<一般講演>
杉原由一:愛知県で発生したムシャクロツバメシジミ
木村富至:石川県能登半島産のシルビアシジミ -その形態と生態の検討-
斎藤基樹:シラミドリシジミ・シャクナゲミドリシジミの幼生期
アジア昆虫調査研究会(AIRS):アリエヌスミドリシジミの幼生期
長谷 純:関西の蝶界今昔


 会場では当会の会誌、ニュースレターも贈呈もしくは回覧いたします。これを機会にぜひ当会への入会もご検討いただけますと幸いです。奮ってご参加下さい!
 
【問い合わせ先】
welcome_scripts@yahoo.co.jp

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会誌No.68発行される!  [連絡 / General Information]

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会誌No.68発行されました! 

 ブログ編集子の多忙により、少々紹介が遅れてしまいました。最新号(2014年度3冊目)が発行されました。内容を少し紹介しましょう。

W. John Tennent, A review of Cethosia cydippe Linnaeus, 1767 (Lepidoptera: Nymphalidae, Heliconiinae) from the eastern parts of its range (Milne Bay Province, Papua New Guinea)

 Tennent氏はこれまでにも本誌でソロモン諸島やニューギニアの蝶類の分類研究に関わる論文を多数発表していますが、今回はニューギニアのハレギチョウの一種、キディッペハレギチョウ(Cethosia cydippe)について、自身のフィールドでの調査経験も踏まえて知見を整理しました。大英自然史博物館のコレクションと新たに得られた資料を検討した結果、本論文の中で3つの新亜種を記載しました。

Tennent Cethosia.jpg
▲ニューギニアのキディッペハレギチョウ標本図版

 続いても太平洋島嶼の蝶類研究に関する重要な論文です。

福田晴夫・二町一成.パラオ諸島の1984年および2010年のチョウ類(2)

 元当会会長の福田晴夫氏、その教え子の二町一成氏はともに鹿児島在住、長年にわたってリュウキュウムラサキの研究に取り組まれ、この分野では世界をリードする研究者ですが、本論文ではリュウキュウムラサキの調査に訪れたパラオ諸島の蝶類について知見をまとめています。戦前日本領だった時代からの膨大な資料を踏まえた上でのリストで、今後この地域の蝶類の基礎的文献となるものです。

Fukuda et Nicho, Palau.jpg 
▲パラオ諸島のリュウキュウムラサキ

 重厚な論文の後には、軽く読める採集記を1つ紹介しましょう。

神保正.南カリフォルニアでイトランセセリに挑む 

Habitat Yucca Giant Skipper.jpg
▲まるで荒涼とした砂漠、日本には見られない風景が棲息地

 アメリカ在住の神保氏は、日本にまったく同属の種が見られないアメリカ大陸特有の大型セセリ、イトランセセリに魅せられ、たった1人でガラガラヘビの出る砂漠に何度も採集に通われた。棲息地まで車を運転した距離が衝撃的で、なんと「3週連続で2,600km走行」とか「往復約2,000kmの一人運転」とか、狭い日本では想像もつかないようなスケールの大きい話である。さて、目的の巨大セセリは首尾よく採集できたのか? それは読んでみてのお楽しみに!!
 
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次はこちらから。

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参加御礼! 2014年度総会・大会も大盛況!!!  [連絡 / General Information]

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▲全員集合! 140人の参加者で賑わいました

参加御礼! 2014年度総会・大会も大盛況!! 

 少々報告が遅れてしましました。去年の12月20日、東京大学理学部二号館にて日本蝶類学会2014年大会・総会が開催されました。年末の慌ただしい時期にも関わらず、約140名という多くの参加者にお越しいただきました。2008年から数えて7年連続の参加者100人超え、すっかり蝶界の冬のイベントとして認知されたようです。高校生や大学生など若者の姿も見られ心強い限りです。

Mr. Koiwaya.JPG
▲2014年度・江崎賞受賞者、小岩屋敏氏の記念講演

 2014年度の江崎賞に選ばれたのは、アジア産蝶類の分類・生態に通暁し、なかでもゼフィルス研究では世界のトップを長年走り続けてこられてきた小岩屋敏氏。10年余り前に長年の東京暮らしを卒業され、出身地宮崎県に戻られてからは地元のチョウの保全活動や地域貢献活動にも精力的に取り組まれています。今回、小岩屋氏は特別講演で「日本のタッパンルリシジミは迷蝶である!!」と題して、緻密な調査に基づく新たな視座を紹介しました。タッパンルリシジミは日本産蝶類の中で幼生期の生態が不明な唯一の種として知られていますが、九州で夏に調査したところ一時的に固まって採集され同一場所で継続的に見られないことなどから季節風に乗って中国南部から飛来してきている可能性を指摘しました。

Dr. Sbordoni.JPG
▲Dr. Sbordoniの講演

 また、イタリア・ローマ大学から参加いただいた、Valerio Sbordoni教授は、中国・ヒマラヤ地域に分布の中心があるジャコウアゲハ属(Byasa)やクビワチョウ属(Calinaga)などについて、mtDNAを使った類縁関係について最新の知見を紹介しました。分析のベースとなる各地の標本の充実に目を瞠りました。

 このほか興味深い講演が目白押しで、夕方になるまで会場は熱気に包まれていました。講演終了後の懇親会も大盛況で、構内のレストランに場所を移し、参加者の皆さんが蝶談に花を咲かせていました。




 ご参加いただいた皆様方、また情報をweb上などで拡散して下さった皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました!!


 なお詳細は近日発行されますNewsletterで改めてお知らせ致します。どうぞ、お楽しみに!


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会誌No.67発行される!  [連絡 / General Information]

cover no.67.jpg

会誌No.67発行されました! 

 年末年始を挟んで、少し紹介が遅れてしまいました。最新号(2014年度2冊目)が発行されました。

稲岡 茂 「世界・チョウの旅」 モンスーンヒマラヤのパルナシウス

 稲岡氏はアゲハチョウ科のウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)属(Parnassius)のエキスパート。毎年のようにヒマラヤ山脈の高地を訪問し、多くの知見を積み重ねてきておられます。稲岡氏の訪ねるヒマラヤ山脈は大抵がアクセスも困難な奥地であり、通常の旅行者が短期間で訪問できるような場所ではありません。今号で稲岡氏はその写真家としても際立った力量を遺憾なく発揮し、見開きでヒマラヤの奥地の風景を紹介してくれました。百聞は一見に如かず。ぜひこのカラープレートを眺め、神々の棲む庭で遊ぶパルナシウスに思いを馳せていただきたいと思います。

Himalaya Parnassius.jpg
▲神々の棲む嶺・ヒマラヤ

 もう1つ、われわれに馴染みの深いゼフィルス仲間の驚くべき新種記載を紹介しましょう。

Takashi Hasegawa & Kotaro Saito Description of two new species of the tribe Theclina (Lepidoptera: Lycaenidae) from central Vietnam  

Thermozephyrus.jpg
▲キリシマミドリシジミ属の既知種

 長谷川、斉藤両氏は先だってNo.63でもミャンマー北部産の新属新種のゼフィルスを記載されていますが、またしても今度はヴェトナム中部からとんでもない新種を2種記載しました。そのうちの1種は私たち日本人にも馴染みの深いキリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)の仲間です。キリシマミドリシジミ属については稿を改めて紹介しますが、今回ヴェトナムで見つかった新種はこれまでのキリシマミドリシジミの分布域からは遠く隔たった場所で、まさに想定外の発見と言えましょう。短期間の調査でオスもメスも得られていますが、日本人研究者の探索能力の高さに驚かされます。こちらも是非カラー図版で見て下さい。さらに今回の新種ならびにキリシマミドリシジミ属の既知種を比較検討した結果、日本産のキリシマミドリシジミを種に昇格させる(Thermozephyrus kirishimaensis (Okajima, 1922) stat. nov.)という重要な問題提起もされています。
 
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次はこちらから。

 会誌は会員外でも1冊3,500円(送料別)で購入できますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでお申込み下さい。

【申し込み先】
welcome_scripts@yahoo.co.jp

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