会誌No.67発行される! [連絡 / General Information]
会誌No.67発行されました!
年末年始を挟んで、少し紹介が遅れてしまいました。最新号(2014年度2冊目)が発行されました。
稲岡 茂 「世界・チョウの旅」 モンスーンヒマラヤのパルナシウス
稲岡氏はアゲハチョウ科のウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)属(Parnassius)のエキスパート。毎年のようにヒマラヤ山脈の高地を訪問し、多くの知見を積み重ねてきておられます。稲岡氏の訪ねるヒマラヤ山脈は大抵がアクセスも困難な奥地であり、通常の旅行者が短期間で訪問できるような場所ではありません。今号で稲岡氏はその写真家としても際立った力量を遺憾なく発揮し、見開きでヒマラヤの奥地の風景を紹介してくれました。百聞は一見に如かず。ぜひこのカラープレートを眺め、神々の棲む庭で遊ぶパルナシウスに思いを馳せていただきたいと思います。
▲神々の棲む嶺・ヒマラヤ
もう1つ、われわれに馴染みの深いゼフィルス仲間の驚くべき新種記載を紹介しましょう。
Takashi Hasegawa & Kotaro Saito Description of two new species of the tribe Theclina (Lepidoptera: Lycaenidae) from central Vietnam
▲キリシマミドリシジミ属の既知種
長谷川、斉藤両氏は先だってNo.63でもミャンマー北部産の新属新種のゼフィルスを記載されていますが、またしても今度はヴェトナム中部からとんでもない新種を2種記載しました。そのうちの1種は私たち日本人にも馴染みの深いキリシマミドリシジミ(Thermozephyrus ataxus)の仲間です。キリシマミドリシジミ属については稿を改めて紹介しますが、今回ヴェトナムで見つかった新種はこれまでのキリシマミドリシジミの分布域からは遠く隔たった場所で、まさに想定外の発見と言えましょう。短期間の調査でオスもメスも得られていますが、日本人研究者の探索能力の高さに驚かされます。こちらも是非カラー図版で見て下さい。さらに今回の新種ならびにキリシマミドリシジミ属の既知種を比較検討した結果、日本産のキリシマミドリシジミを種に昇格させる(Thermozephyrus kirishimaensis (Okajima, 1922) stat. nov.)という重要な問題提起もされています。
というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次はこちらから。
会誌は会員外でも1冊3,500円(送料別)で購入できますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでお申込み下さい。
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