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会誌No.69発行される!  [連絡 / General Information]

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会誌No.69発行されました! 

 先月の京都フォーラム開催前に発行されたのですが、ブログ編集子の怠慢で少々紹介が遅れてしまいました。最新号No.69(2015年度1冊目)が発行されましたので内容を紹介します。

横地隆・Vu Van Lienほか.ベトナム・カインホア県ホンバ山における蝶類の調査報告(1)
 
 現会長の横地隆氏ほか、当会の主要メンバーが勢ぞろいして調査を続けているベトナムのホンバ山の蝶類に関する報告が今号から2部作で掲載されます。ベトナムの特異な蝶相を特徴づけるような隔絶した山塊からは、つい去年にも調査隊によって驚くべきゼフィルスの新種が見つかりました。今号では調査で得られたものを中心に197種がリストアップされています。下記に掲載した図版でもうかがえるように、美しい標本図版が目白押しで、本地域の蝶相研究における基礎的な文献になること必至です。
 
Hon Ba.jpg
▲アゲハチョウ科の標本図版

若林増樹.中国山地のゴマシジミ-最近の発生状況とその消長についての一考察-

 続いては日本産の蝶類の話題を。若林氏は仕事の傍ら、精力的に中国地方のゴマシジミを探索され、綿密な分布調査報告をこのほど発表されました。ゴマシジミは草原性の種で、近年全国的に減少が報告されています。中国地方では各地に山地が点在しますが、特に人家周辺の小規模な草原に発生する個体群では、近年特に減少が著しいようです。若林氏は観察を重ねる中で、ゴマシジミに一定の移動性があること、飛翔能力が高いことから、遠方のパッチ状の集団との交流が途絶えなければ個体群は安泰ではないかと推察しています。

teleius.jpg
▲島根県飯石郡飯南町産のゴマシジミ♂
teleius habitat.jpg
▲ゴマシジミの発生地の草原

続いて大変ユニークな研究の紹介を。

Takasaki, H. et al. "Bricolage of a portable motor-driven decoy apparatus to lure butterflies" 

 岡山理科大学の高崎浩幸氏の研究グループは、100円ショップでも買えるような安価な材料を使って「チョウ誘引装置」を手作りで作成、野外で主としてアゲハチョウの♂の生態観察に生かしています。本論文ではその作り方を詳細に記述するとともに、その結果についても述べています。昨年の大会でビデオ映像を見て衝撃を受けた方も多いかと思いますが、モンキアゲハやクロアゲハはデコイ(囮)に強く反応し、数分間にわたって執着し続ける個体が見られました。この装置は生態学の分野で有用と思う一方で、通常は樹冠部に留まり、地上近くに降りてこない種をおびき寄せるのにも有効ではないかと思いました。

decoy.jpg
▲ユニークなデコイの構造


▲実際の実験動画はこちらから
  
 というわけで、今号も見逃せない内容であることがお分かりいただけたと思います。目次は以下の画像をご覧ください。(クリックで拡大)

contents no.69.jpg
▲目次(クリックして拡大して下さい)

 会誌は会員外でも1冊3,500円(送料別)で購入できますので、ご希望の方は下記のメールアドレスまでお申込み下さい。

【申し込み先】
welcome_scripts@yahoo.co.jp

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